どんぐり北広島とは

【監督・中本裕二】  

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どんぐり北広島の監督に就任した中本裕二は、NTT西日本広島ソフトテニスクラブ時代には多数の日本代表選手を輩出し、2010年のアジア競技大会では、自ら日本代表女子監督として日本チームを率いて史上初の女子団体金メダルの獲得へと導きました。2011年には、監督独自の戦略である「攻撃型並行陣」を駆使して佐々木舞・大庭彩加組が世界選手権金メダルを獲得。2014年度は仁川アジア競技大会に大庭彩加選手を送り出し、 国別対抗のシングルスでは、一度も勝てなかった韓国戦で悲願の初勝利を達成しました。国内でも、最高峰の大会である全日本シングルスや全日本選手権(皇后杯)で各8度の日本一を実現。日本リーグをはじめ、全ての団体戦、個人戦におけるタイトル獲得は数えきれません。決して上手い選手ではなくても、やる気さえあれば「テニス日本一=人格日本一」へと導くことができる。 国内外で実績を出し続けることで、それを証明している名将なのです。

NTT西日本広島時代、所属選手に「なぜ遠くから広島までテニスをしに来るのか」と訊けば、「中本監督の指導を受けたいから」と答えたものでした。北海道から九州までの全国各地から広島へ集まってくるのは、そこに監督・中本裕二がいたからだったのです。彼の「前へ」という座右の銘は、決してブレません。そして、口癖のように「人生を後悔したくない、だから挑戦し続ける」、「夢は見るものではない。掴み取るものだ」とも言います。常に新しいこと、誰もやっていないことにチャレンジし、そのすべてを成功させて自らの言葉を実証してみせている彼だからこそ、人を惹きつけるのでしょう。

【ソフトテニス界の現状

しかし、中本監督は、現状のままではソフトテニス競技が衰退すると危惧していました。 特に強い危機感を抱いていたのは、女子の実業団。10年以上にわたって打開策の必要性を痛感していたと言います。日本のソフトテニス界は、学校での体育や部活動、そして企業に頼って選手の育成・強化を行なってきました。一企業に頼ってしまうと、チームの活動が景気に左右されたり、業績の悪化などでクラブの存続自体が危機に陥ったりすることも少なくありません。  実際、NTT西日本広島ソフトテニスクラブ時代に廃部の危機が二度ありました。その時は計り知れない大きなショックを受けました。そんな中で、生涯の大切な仲間となった曽川氏(男子監督)、米本氏(コーチ・旧姓)と一緒に苦境を乗り越えてきた経験を通じて真に大切なことを学び、それが今につながりました。

「頑張っている選手に、最高の環境を提供してあげたい」。選手たちが安定した環境の中で競技に集中させてやりたいと考え続けた結果、たどり着いた形が地域密着のクラブ化構想です。サッカーやバレーボール、バスケットボール等では前例があるものの、ソフトテニス界では初の試みとなります。まさに、地域創世の時代であるこれからは、地域社会に根ざすスポーツとして、地域クラブで選手を育成強化し、そのプロセスと結果が地域の発展に寄与していくことも必要であり、ソフトテニスという競技でも実現させたいと考えていました。 そして2014年度末。 同年度すべての主要大会で個人・団体戦とも制覇した今こそが地域密着のクラブ化構想の実現に向けた挑戦を行う時期と判断し、未知の世界へ踏み出すこととしました。

なぜ北広島町なのか

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原点となったのは、2003年からホームコートとして土・日や祝日に練習拠点としている広島県北広島町の豊平どんぐり村との関わりでした。どんぐり村関係者との強い絆、周辺の地域住民の協力、北広島町の支援体制が、決断と行動へ導いたのです。会社からの支援は限られており、選手育成含め十分な運営環境とは言えませんでした。また、練習は、どこのチームにも負けないくらいの厳しく激しいものですが、一歩コートを離れれば、つらい顔一つせず、底抜けの笑顔を見せてくれる選手たちは、年数を重ねるごとに、人としてもプレーヤーとしても磨かれてゆき、その成長ぶりには、目を見張るものがあります。10数年にもわたってそんな彼女たちの姿を週末ごとに見てきた北広島町の皆さんが、いろんな形で応援や支援をしてくれました。選手たちは最高の笑顔とあきらめない強い気持ちでその応援に応え、最高峰である皇后賜杯を獲得するなど、大きなお土産を北広島町の皆さんへ持ち帰りました。このような地域との一体感は、一朝一夕に築けるものではありません。長い年月をかけて紡いできた絆、そこに引き寄せられるように、初のソフトテニス地域密着型クラブ「どんぐり北広島」がここ、北広島町に誕生したのです。

新たにはじまるドラマ】

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どんぐり北広島は、ゼロからのスタートです。ラケットと熱い志だけを抱えて、第一歩を踏み出そうとしているのです。何もない。だからこそ、面白い。これから始まるドラマを日本中の仲間たちと一緒に作っていくことが、どんぐり北広島チームのミッションであり、勝ち続けることがチームに与えられた試練です。

「意欲のない1000人より、意欲のある1人が世の中を変えることができる」

中本監督が大切にしている言葉です。彼のもとには、小学生から社会人まで、さまざまな年齢層の色々なチームが日本中から集まります。意欲に満ちたみんなの笑顔で、北広島町は一層活気づくことでしょう。夢とは、地上の道のようなもの。そう中本監督は言います。「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」と。

「神様は、乗り越えられる人にしか試練を与えない」

ホームコート横断幕に掲げられた言葉とともに、どんぐり北広島は、地域に愛され続け、チームとしての歴史を作っていきます。皆様の温かい応援を心からお願いいたします。